ハマスに殺害された人質女性、遺族が「非人道的」な環境明かす CNNインタビュー
(CNN) イスラム組織ハマスに殺害されたイスラエル人の人質女性の姉妹がCNNに対し、拘束中の「非人道的」な環境について明らかにした。パレスチナ自治区ガザ地区の地下トンネルで遺体が収容されて以来、姉妹は「悪夢」の日々を過ごしているという。
亡くなったエデン・イェルシャルミさんはハマスがイスラエルに攻撃を仕掛けた10月7日、音楽祭の会場から連れ去られた。イスラエル国防軍(IDF)が先月末に収容した6人の遺体の中に、エデンさんの亡きがらがあった。
姉妹のシャニさん、メイさんはCNNの番組で、死のわずか3週間前を含め、エデンさんが生存している証拠を3回受け取っていたことを明らかにした。
「とてもつらい。悪夢にさいなまれているような気持ち」とシャニさん。「これは現実ではない、自分たちに起こっていることではないと感じる時もある。ずっとエデンが生きて帰ってくると信じていたから」
エデンさんの遺体がガザからイスラエルに戻った後、家族は拘束時の詳しい状況について知った。シャニさんはエデンさんが数週間留め置かれていたトンネルについて、「真っすぐ立つこともままならなかった。隣同士で寝ることは許されず、1列になって寝ていた。窓も空気も光もない環境で、食べ物はほとんどなかった。トイレに行く必要が出ると、バケツに用を足すことを強制された」と説明する。
IDFによると、人質グループの遺体はラファにあるハマスの地下トンネルで見つかった。兵士らが到達する「少し前」に「惨殺」されていたという。メイさんはCNNに対し、IDFからエデンさんについて「至近距離から頭を撃たれた」「自らの身を守ろうとした痕が手に残っていた」との説明を受けたことを明かした。
エデンさんや他の人質5人の死を受け、イスラエルでは新たに憤りが噴出した。その多くはネタニヤフ政権の危機対応に向けられた怒りの声だった。
イスラエル当局によると、10月7日の襲撃では1200人以上が死亡、250人が人質に取られた。その後イスラエルによる攻撃が始まって以降、パレスチナ人4万人が死亡。ネタニヤフ氏に対しては、停戦と引き換えにガザ地区に残る人質100人あまりを取り戻す合意を妥結するよう、強い圧力がかかっている。