スペイン鉄砲水の犠牲者205人に、死亡時の状況が徐々に判明
バレンシア州ではより詳しい情報が明らかになりつつあり、住民から深刻な被害や、急速な水位上昇に見舞われた恐ろしい体験が報告されている。州都バレンシア市では、裁判所が一時的に遺体安置所と化した。
水位が胸の辺りまで達したバレンシア市のラトーレ地域では、ボランティアが行方不明者の捜索を続けている。
スペインの公共放送RTVEが警察の話として伝えたところによると、救助隊は10月31日、ラトーレの地下駐車場で7人の遺体を発見した。
駐車場で亡くなった地元警官の父親はスペイン紙エルムンドの取材に、住民は車を移動させようとしたが、水位の上昇が予想よりも早く、水にのみ込まれたと証言した。駐車場まで流されてきて死亡した女性もいたという。
RTVEが「悲劇の震源地」と形容するバレンシア州パイポルタでは、少なくとも62人が死亡した。
パイポルタの被災者はRTVEに対し、助けを求める人を乗せた車が何台も目の前を流されていったと証言。ドライバーの多くは幹線道路で立ち往生しており、車に乗ったまま押し流されたという。道路は付近の川と一体化した格好になり、地域の橋は崩落した。