米連邦航空局、ハイチ行きの全便を運航停止 旅客機3機への銃撃受け
(CNN) 米連邦航空局(FAA)は12日、ハイチ行きの全航空便を1カ月にわたり運航停止にする方針を明らかにした。ギャングの暴力が激化するハイチの首都ポルトープランスで、米国の航空会社3社の旅客機に銃弾が直撃したことを受けた措置。
スピリット航空の旅客機は11日、ポルトープランスで着陸を試みた際に銃撃を受け、乗員1人が「軽傷」を負った。ジェットブルー航空はその後、ニューヨークで飛行後の検査を行った結果、ハイチから戻ってきた便の機体に損傷が見つかったと発表。航空会社やCNNが入手したパイロット組合のメモによると、ハイチの主要空港を出発したアメリカン航空の便も銃撃を受けた。
航空機の外装にみられた損傷/From Social Media
ハイチ当局は既に、ポルトープランスを発着する便を1週間にわたり運航停止にする措置を取っている。FAAは12日、ハイチの高度約3000メートル以下での米民間航空の運航を30日間禁止するとの通達を出した。
国連も12日、国連関係の航空便を運航停止にする措置を取っていると発表。国連のデュジャリック報道官は同日の会見で、人道支援物資や人道関係者のハイチ入国の流れが制限されるのは間違いないとの見通しを示した。
ハイチ暫定評議会はスピリット航空便に対する銃撃について、武装したギャングの関与を指摘。実行犯を裁きにかけると言明し、「国際舞台で我が国を孤立させること」が狙いだと非難した。
SNSに投稿された画像にはスピリット航空の機内の損傷が捉えられている/From Social Media
ハイチでは1年近くギャングの活動や政治的混乱が蔓延(まんえん)しており、このところ外国の関係者にも影響が広がっている。先月には、ポルトープランス上空を飛行中の国連のヘリコプターに銃弾が直撃。10月に起きた別の事案では、ギャングが米大使館の車両を銃で狙い、大使館職員20人が避難する事態になっていた。