脱獄騒ぎの元兵士、イランのスパイ罪で有罪評決 英国
(CNN) イランのスパイだったとして逮捕され、昨年刑務所から脱獄して3日間にわたって逃走を続けた英国の元兵士に対し、陪審がスパイ罪で有罪の評決を言い渡した。検察が28日に明らかにした。
有罪を言い渡されたのはダニエル・カリフェ被告(23)。英国の安全保障機関を助けるために、二重スパイとして働こうとしたと主張していた。
カリフェ被告は脱獄の事実を認める一方、偽の爆破予告実行の罪については無罪となった。
検察によると、カリフェ被告はイランとつながる「仲介役」にフェイスブック経由でメッセージを送り、英陸軍への潜入を25年以上続けると主張。機密情報などを密かに探し出して複製し、機密と知りながらイラン国家の代理人役と信じた相手に提供したとされる。その見返りとして現金を受け取り、トルコにも旅行していた。
弁護側はカリフェ被告の二重スパイの主張について、ジェームズ・ボンドとはかけ離れた子どもの探偵ごっこのようなもので、どたばた喜劇に近かったと話している。
カリフェ被告は2022年1月、イングランドの兵舎で逮捕され、調べに対して犬の糞(ふん)処理袋に入った1500ポンド(約29万円)をイラン人ハンドラーから受け取ったと供述した。
23年9月には料理人の格好をして配達車両の下に体をくくり付け、ワンズワース刑務所から脱獄。逃亡しながらハンドラーとの接触を試みて、テレグラム経由で「待っている」とメッセージを送信したが、3日後につかまった。
量刑言い渡しは来年予定されている。