イタリア首相、トランプ氏と欧州の架け橋になるか
マスク氏とメローニ氏は昨年の夏に強い友好関係を築いた。マスク氏は昨年12月、メローニ氏が率いる政党「イタリアの同胞(FDI)」のイベントにも出席している。
メローニ氏が、トランプ氏の「MAGA(米国を再び偉大に)」運動のエリートから好意を持たれるのはマスク氏が初めてではない。第1次トランプ政権で首席戦略官を務めたスティーブ・バノン氏はマスク氏以前にメローニ氏を支持する姿勢を示していた。バロン氏は18年の政治イベントに出席し、当時のCNNの取材に対して、メローニ氏が欧州で最も重要な政治家の一人となれると信じていると語っていた。
ただ、メローニ氏が22年に首相に就任して穏健化すると、バノン氏はメローニ氏から距離を置くようになり、先ごろ行われたイタリア紙の取材に対し、失望したと語った。
バロン氏は、メローニ氏のウクライナ支持と、イタリアによる貿易問題への取り組みが不足していると考えられる点を挙げ、メローニ氏がトランプ氏に影響を与えるのではなく、その逆になるとの見方を示した。
バノン氏は「トランプ大統領の登場で彼女の態度は変わると思う。トランプ氏が彼女を説得するだろう」と語る。「そして北大西洋条約機構(NATO)諸国はすぐに賛同するだろう。そうでない場合、彼女が自身の近年の発言を本当に信じているなら、欧州の他の国々と共に演説で言及しているのと同じだけの額の資金を投入し、小切手を切る用意をするべきだ。私たちMAGAの活動家は断固として議会の対ウクライナ資金提供を100%削減したいと考えている」
今のところ、メローニ氏はマスク氏、そして結果としてトランプ氏の味方のようだ。
ルイス大学のオルシナ氏はメローニ氏について、トランプ氏の欧州へのアプローチに関しては積極的ではなく受動的になる可能性が高いと指摘した。