ハマスが女性兵士4人を解放、イスラエルは避難民帰還を阻止
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区での停戦合意に基づき、イスラム組織ハマスは25日、人質に取っていたイスラエル軍の女性兵士4人を解放した。イスラエル側は、終身刑の121人を含むパレスチナ人拘束者200人を釈放した。
解放された兵士は3人が20歳、1人が19歳。ガザ市内の広場に設けられたステージで赤十字に引き渡され、笑顔で群衆に手を振った。イスラエルの商都テルアビブの広場では、市民が実況映像を見守り、解放を歓迎した。
兵士らは家族と再会した後、イスラエル南部の病院へ搬送された。医師によると、全員体調は安定している。
だがイスラエルのネタニヤフ首相はその直後、民間人とされるもう1人の女性(29)が解放されなかったことを理由に、停戦合意に基づくガザ北部への避難民帰還には応じないと表明。イスラエル軍の当局者もCNNに、女性が解放されるまで帰還は認めない方針を確認した。
人質解放の知らせを受けて喜ぶイスラエルの人々/Ariel Schalit/AP
この女性について、ガザ地区の武装組織「イスラム聖戦」(PIJ)の幹部は25日、PIJの軍事部門「アルクッズ旅団」がイスラエル宇宙軍の兵士として拘束していると主張した。この主張を裏付ける証拠はない。別のPIJ関係者はCNNに、女性の命に別条はないと語った。
ガザを南北に隔てる「ネツァリム回廊」沿いには、北側へ戻ろうとする避難民が集まっていたが、イスラエル軍は同日、回廊を渡らせないと警告した。CNNの映像には、現地でイスラエル軍の発砲を受け、数百人が逃げ惑う光景が映っている。
死傷者が出たかどうかは不明。イスラエル軍は、部隊に脅威を及ぼした数十人の「容疑者」に対して警告射撃をしたが、けが人は報告されていないと主張した。