ハマスの奇襲の生存者、ユーロビジョンのイスラエル代表に
(CNN) 2023年10月7日、イスラエル南部で開催された音楽祭に対してイスラム組織ハマスが仕掛けた奇襲を生き延びた女性が、今年のユーロビジョンのイスラエル代表に選ばれた。
ユバル・ラファエルさん(24)は、今年5月にスイスのバーゼルで開かれるユーロビジョンでパフォーマンスを披露する。今月22日、イスラエルのテレビ番組内での投票で出場権を勝ち取った。イスラエル国内のコンテストの広報担当者によると、ラファエルさんが予選で歌った楽曲はアバの「ダンシング・クイーン」やサム・スミスの「ライティングズ・オン・ザ・ウォール」などだった。
昨年はユーロビジョン本選へのイスラエルの出場が物議を醸した。スウェーデンのマルメで行われた大会で、イスラエル代表のエデン・ゴランさんはパフォーマンス中、聴衆の一部からブーイングを浴びた。ステージに背を向けたり、会場から立ち去る聴衆もいた。
会場の外でもパレスチナを擁護する少数のグループが抗議デモを行い、警官隊に包囲される中でパレスチナの解放やユーロビジョンのボイコットを訴えていた。
ユーロビジョンの公式サイトには、現在ラファエルさんのプロフィルが掲載されているが、奇襲に遭った際の衝撃的な経験については言及していない。影響を受けたミュージシャンの項目には、レッド・ツェッペリンやビヨンセ、セリーヌ・ディオンの名が挙がっている。
ハマスによる奇襲の後、イスラエルとハマスとの15カ月に及ぶ戦闘が始まった。ラファエルさんはそれから国の使節として世界中を回り、奇襲当日の経験を語った。昨年4月には、国連人権理事会でも演説した。
インスタグラムに投稿された演説の中で、ラファエルさんは「あの夜は喜びと祝福で幕を開けた」が、そのすぐ後には混乱が待っていたと振り返った。