映画「Love Letter」ロケ地の小樽市、観光客殺到でオーバーツーリズム深刻化
中国版インスタグラム「小紅書」は、映画のベストアングルを再現する方法に関する投稿であふれている。
「あなたの手紙のおかげで小樽に来ました」と投稿したあるユーザーは、船見坂をベストアングルで撮るコツを付け加えた。このセリフは映画の筋書きに言及している。
別のユーザーは、映画に登場した天狗山の動画を投稿し、「北海道の雪は今冬へのラブレターです」と書いた。
小樽市役所の職員はCNNに対し、今回の警備員配置は増加する中国人観光客を対象としたものではなく、外国人観光客が全体的に急増していることへの対応だと説明した。
日本のオーバーツーリズム
オーバーツーリズムに不満を抱いているのは、小樽市の住民だけではない。
昨年5月、富士山の麓(ふもと)にある富士河口湖町では、人気撮影スポットのコンビニエンスストア前に巨大な黒い幕を設置して視界を遮る措置を講じた。
背後に富士山が望めるコンビニには、連日大勢の観光客が押し寄せ、迷惑行為が問題となっていた。幕は8月に撤去された。
有名な観光地でも、増加する観光客数を抑制しようと対策を実施している。
美しい雪景色で知られる山形県の銀山温泉は、昨年12月からピークシーズンの日帰り客の入場規制に踏み切った。
雪に覆われた江戸時代の伝統的な建物など、絵のように美しい景色で有名な銀山温泉は、宮崎駿監督の映画「千と千尋の神隠し」のモデルにもなったと言われている。
このほか、富士山や兵庫県の姫路城などが、観光客を対象に入山料や入城料の値上げを提案している。