エルサルバドルの「メガ刑務所」とは、トランプ氏がベネズエラ人「ギャング構成員」を移送
市民的自由の停止
CECOTには、有罪が確定した犯罪者と、まだ刑事手続きを受けている途中の者の両方が収容されている。適正手続きを全く経ずに収容されている人もいると、批判者は指摘する。
こうした収容措置は、長年国を悩ませてきた犯罪率の高さやギャングの暴力に歯止めをかけようとするブケレ氏の施策の一端だ。
ブケレ氏は22年、議員の支持を得て国家非常事態を宣言し、国選弁護人の弁護を受ける権利など、憲法上の権利を一時停止できるようにした。この措置は30日間の予定だったが何度も延長され、今日に至るまで続いている。
当局によると、非常事態宣言から3年の間に、治安部隊は人口の1%超に当たる8万7000人近くを全国で逮捕した。
政府はこうした取り締まりによって国の治安が強化されたと主張するが、国民の権利が侵害され、数え切れない不当逮捕が発生しているとの批判もある。
ブケレ氏は一部の無実の人が誤って拘束されたことを認めつつも、すでに数千人が釈放されたと説明。「世界最悪の殺人多発国」と呼ばれていた国を変えるにはこうした厳しい措置が必要だったと主張し、今では世界有数の安全な国に転換を遂げたとしている。