イスラエル政府、諜報機関トップを解任
(CNN) イスラエル政府は21日未明、採決を通じて同国総保安庁(シンベト)のロネン・バー長官を解任した。
ネタニヤフ首相の事務所は同日声明を出し、バー氏の任期を打ち切るとした首相の提案を政府が全会一致で承認したと述べた。声明によるとバー氏は来月10日、もしくは後任の長官が任命された時点で長官の職を終えることになる。
一方で採決に対しては、今後イスラエルの最高裁が異議を申し立てる可能性もある。
ネタニヤフ氏は先週バー氏と面会し、解任を提案する意向を通達。16日に公開したビデオ声明ではバー氏に対する「不信が続いている」ことが今回の措置につながったと述べていた。
ネタニヤフ氏はこれまでも繰り返しシンベトを批判しており、庁内指導部の諜報(ちょうほう)の失敗が2023年10月7日のイスラム組織ハマスによる奇襲につながったと主張している。この奇襲では1200人以上が死亡した。
バー氏は解任の数時間前に出した声明で、ネタニヤフ内閣による採決は性急に行われたものであり、あらゆる基礎的な法律上のルールや政府の法律顧問の立場に反する措置だとの見解を示した。
野党の政治家らはネタニヤフ氏がバー氏を標的にしていると批判し、解任の措置は政治的動機に基づいていると指摘した。