イスラエル軍、ガザで地上作戦を再開 主要地域を一部制圧
(CNN) イスラエル軍は19日、パレスチナ自治区ガザ地区で地上作戦を再開し、主要な地域を一部制圧したと発表した。前日にはガザ全域を空爆しており、イスラム組織ハマスとの2カ月にわたる停戦は崩壊した。
イスラエルはハマスが人質の解放を「繰り返し」拒否し、仲介国の提案も却下したと非難。一方、ハマス側はイスラエルが一方的に停戦を反故(ほご)にし、人質の運命を危険にさらしていると批判した。
イスラエル国防軍(IDF)は、安全地帯を拡大し、ガザの北部と南部の間に部分的な緩衝地帯を設けるために、中部と南部で標的を限定した地上作戦を開始したと説明した。
同軍によると、ガザを南北に二分するネツァリム回廊の中央部まで支配地域を拡大したという。1月の停戦合意で同軍はネツァリム回廊から撤退し、その後多くのパレスチナ人が自宅に戻るためにネツァリム回廊を越えた。
ガザの保健省によると、18日の空爆では400人以上が死亡した。イスラエル軍の攻撃による1日の死者数としては最多水準という。

「爆発物」で損傷した国連の建物=19日、ガザ/Mohammad Al Sawalhi for CNN
国連は19日、ガザ中部にある国連施設での「爆発」で職員1人が死亡、5人が負傷したと発表した。ガザ保健省はイスラエル軍による攻撃と非難したが、イスラエル側は国連施設の周辺では空爆を実施していないとしている。
一方、戦闘の再開を受けてイスラエルのエルサレムでは数千人が国会前で抗議集会を開いた。ネタニヤフ氏が連立政権を安定させるのに戦争を利用しているという批判もある。
イスラエルの当局者は18日、人質を解放するようハマスに圧力をかけるための一連の攻撃を今後拡大し、空爆は第1段階との見方を示していた。