インドとパキスタンで例年より早い酷暑、生存限界試す49度も
イスラマバード/ニューデリー(CNN) インドとパキスタンが生存限界を試すほどの過酷な暑さに見舞われている。エネルギー供給は逼迫(ひっぱく)し、農作業や国民の日常生活にも大きな影響が出ている。
両国とも例年、夏が始まる5月から6月にかけては熱波に覆われる。しかし今年は例年よりも早く熱波が到来し、猛暑は例年よりも長く続く見通しだ。
パキスタンの気象庁によると、14日から18日にかけては所によって気温が平年より8度も高くなる見通し。南西部バルチスタン州の最高気温は49度に達する可能性もある。
同州デラ・ムラド・ジャマリに住む男性はCNNの取材に対し、予想外の猛暑によって停電が頻発するようになり、停電が1日16時間続くこともあると説明。「そのせいで猛暑の影響が強まって、しのぐのが難しくなっている」と語った。

うだるような暑さの夏の午後、熱波に耐える観光客たち=10日、インド・ニューデリー/ Raj K Raj/Hindustan Times/Getty Images

猛暑から逃れようと、公共の給水器から水を飲む人々=9日/Debarchan Chatterjee/NurPhoto/Getty Images
隣国インドにも例年より早く猛暑が到来した。4月は平年を上回る熱波が予想されるとして、気象庁が備えを呼びかけている。
首都ニューデリーでは4月に入り、最高気温が平年より5度高い40度を超える日が少なくとも3日あった。
北西部のラジャスタン州なども猛暑で農作業などが影響を受け、体調を崩す人も出ている。
同州では14日に44度の最高気温を観測した地域もあった。
今年の暑さはこれまで以上にひどいと住民の女性は訴え、子どもや女性に与える影響が心配だと話す。
屋外労働や農作業ではすぐに飲み水がなくなって、吐き気を感じたり気分が悪くなったり、めまいを感じたりする人もいるという。
農家の男性によると、農作業で体調を崩す人も出始めているという。「外へ出ると、人々が焼けてしまいそうな暑さを感じる」と男性は言い、自分の仕事や家族の生計のことは心配だが「ほかに行くところはない」と話した。

猛暑のなかスカーフで顔を覆う歩行者=8日/R.Satish Babu/AFP/Getty Images