右翼政治家めぐるジョークでコメディアンが捜査対象に インド西部
(CNN) インドの有名コメディアンが、ステージ上で右翼政治家をめぐるジョークを飛ばした後、名誉毀損(きそん)の疑いで警察の捜査対象になっている。
コメディアンのクナル・カムラ氏は、大衆文化や政治を扱ったジョークで知られる。西部マハラシュトラ州の州都ムンバイ市内で最近、ヒンドゥー至上主義の右翼政党「シブ・セナ」を率いる州副首相への批判とみられる寸劇を披露した。
23日に本人のユーチューブ・チャンネルに投稿された動画によると、同氏は副首相の名前こそ口にしないものの、歌の中で「裏切り者」と呼んでいた。副首相が2022年に州の政変を主導したことを指すとみられる。
カムラ氏のジョークに対してシブ・セナの支持者らが強い反発を示し、ムンバイの上演場所も襲撃された。現場の映像には、シブ・セナのロゴ入りスカーフなどを着けた数十人の男性が椅子をたたきつぶしたり、内装を破壊したりする場面が映っている。

カムラ氏がパフォーマンスを行った会場が荒らされ、警官たちが集められた/Rafiq Maqbool/AP
シブ・セナの報道官はビデオ声明で、カムラ氏の発言は州住民への侮辱だと非難。ムンバイ警察が同氏を逮捕して投獄し、裁判にかけるべきだと主張した。
党所属議員の1人は、同氏が今後、マハラシュトラ州だけでなく、インド全体で公の場を歩き回れなくなると警告した。
一方、カムラ氏はX(旧ツイッター)上で、謝罪するつもりはないと言明。「私の知る限り、指導者や政治体制をからかうことは法律に違反しない」と指摘した。