「オフィス犬」で仕事のストレス軽減? 癒しの存在で士気向上
米バージニア・コモンウェルス大学の経営学者、ランドルフ・バーカー教授らが今年3月に専門誌に発表した予備調査でも、犬が職場に及ぼす効果が確認されている。研究チームでは、14年前から犬連れの出勤を認めている事業所で、従業員のストレス水準を調べた。450~550人が勤務する同事業所には、常に20~30匹の犬がいる。
調査対象は犬を連れてきている人、飼っているが連れてこない人、飼っていない人の合わせて76人。ストレスに反応して分泌されるホルモン、コルチゾールの濃度を調べたところ、犬を連れてきていないグループは勤務時間が終わるころ大幅に上昇していたのに対し、犬連れのグループは終日低いままだった。
犬を連れてこない人でも8割が、仕事の効率に悪影響はないと感じていた。犬は企業にとって低コストの福利厚生策になり得ると、チームは提言している。実際にグーグルやアマゾンといった大企業でも、犬連れ出勤が認められている。
犬が気持ちを落ち着かせる効果は、病院をはじめとする施設や被災地、裁判所など、さまざまな場面で認められてきた。飼い主が犬と目を合わせるだけで、「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌が盛んになることが知られている。