貿易赤字、過去最大の6.9兆円 円高や対中輸出減が響く
(CNN) 財務省が24日に発表した2012年の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は過去最大の6兆9273億円の赤字となった。
貿易赤字は2年連続。円高や尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる日中の対立で対中輸出が減少したこと、ユーロ圏での需要低迷が原因と見られる。
昨年12月の輸出額は前年同月比5.8%減となった。これは主に、円高によって日本からの輸出品の価格が上昇したためと見られる。対中輸出は尖閣諸島の領有権をめぐる日中関係悪化の影響で、前年同月比で10.8%減少した。
一方、12月の輸入額は前年同月比1.9%増。輸入額に占める原油などの鉱物性燃料の割合は34.1%に上る。
安倍晋三内閣は11日、円高やデフレからの脱却を目指し新たに20兆円規模の「緊急経済対策」を閣議決定。また22日には、政府と日本銀行が2%のインフレ(物価上昇)率目標を明記した「共同声明」を発表している。
11月半ば以降、円相場は9%以上下落し、2年半ぶりの円安水準に達している。