ニカラグアに新運河構想、パナマに対抗 中国企業に事業権限
ニカラグアの運河は幅をより広くし、今後20~30年間で予想される国際海運の増加を好機ととらえている。HKNDは同社サイトで、船舶の大きさに関する最近の傾向を踏まえてもニカラグアの運河が役立つ有望な市場があると主張した。
一方、ニカラグアで過去に計画された事業計画が、政治的な思惑や資金不足などでいずれもとん挫してきた経緯を踏まえ新運河事業の推進を危ぶむ声は根強い。
反米左派の政権を率いるオルテガ大統領は新運河を、中米で最貧国の1つであるニカラグアにとっては経済を飛躍させる事業と位置付けている。同国は深刻な債務を抱え、失業率も高い。
ロイター通信によると、野党の議員はHKNDへの事業認可の是非を問う投票後、ニカラグア国家を斉唱し、「オルテガ(大統領)は裏切り者」と書かれた垂れ幕を掲げる抗議を行った。
また、運河事業に反対する地域社会の連合体は声明を発表し、「国は売り物ではない。国は国民に属するものであり、大統領やその一族の私有財産ではない」と弾劾(だんがい)した。