人材求む! 急拡大するアジア航空市場、人手不足が深刻化
先のボーイングの予想によると、アジア太平洋地域では、2032年までの20年間で、21万5300人の整備士が必要になるとされる。
厳しい労働環境で昼夜を問わず働かねばならない整備士の職が敬遠されているのが人材難の一因だが、育成に時間がかかるのも悩みの種。航空アナリストによると、パイロット新規育成は通常18カ月ですむが、整備士の資格取得には5年かかる。
ここでもやはり、経験者を引き抜ぬけない格安航空社が問題を抱える。
もっとも、パイロットや整備士の不足は今に始まった問題ではなく、航空業界は過去にもこうした難局を乗り越えてきた。
今回、人材難打開の糸口として新たに期待されるのは、フロリダに本拠を構えるDiSTI社が開発した、機体整備訓練のソフトウエアだ。従来は高価なハードウエアに頼り切りだった機体整備をソフトウエア上で行うことで、訓練が容易になった。
パイロット訓練用のシミュレーターのように、情報化時代の航空産業を支える鍵となれるか期待が寄せられている。