原油が5年ぶりの安値 全米でガソリン値下がり
ニューヨーク(CNNMoney) 16日の原油市場で、国際的な指標となる米WTI原油の先物価格と北海ブレント原油先物価格がともに5年ぶりの安値をつけた。最近の原油安を背景に、全米各地でガソリンが値下がりしている。
WTIの先物価格は1バレル=55ドル、ブレント先物価格は1バレル=60ドルをそれぞれ5年ぶりに割り込んだ。どちらも今年の最高値をつけた6月に比べ、1バレル当たり50ドル以上値下がりしている。
全米自動車協会(AAA)の調査によると、全米のレギュラーガソリンの平均価格は1ガロン(約3.8リットル)=2.53ドル(約296円)。4月末の1ガロン=3.7ドルをピークに、1ドル以上下落している。
17日の時点で1ガロン=2ドルを切ったガソリンスタンドの例は17の州で報告され、今後さらに増加する見通しだ。アラスカとハワイを除くすべての州で平均価格が3ドルを下回り、最も安いミズーリ州では2.22ドルとなっている。
原油安の背景には欧州とアジアの経済不振、自動車の燃費向上などによる需要の減少に加え、米国の産油量の増加やドル高がある。石油輸出国機構(OPEC)加盟国は今のところ減産見送りの構えを示していることから、来年に入って原油価格が1バレル=40ドル近くまで下落し、ガソリンが1ガロン=2ドルを下回る可能性も指摘されている。