「偽ブランド品販売を放置」中国当局がアリババを批判
香港(CNNMoney) 中国の国家工商行政管理総局(SAIC)は28日までに、電子商取引大手アリババが傘下のショッピングサイトにおける違法行為に目をつぶり、監視を怠ったと批判する報告書を発表した。
報告書によれば、アリババは「非常に怠慢で」、ショッピングサイトに出店する一部業者が偽ブランド品や模造品を販売するのを放置したという。
この報告書は昨年7月に政府とアリババの間で行われた会合の内容に基づくもの。直後に控えていた同社の米国市場における新規株式公開(IPO)への影響を鑑み、発表を遅らせていた。
アリババにとって模造品問題はかねてからの課題で、共同創業者の馬雲(ジャック・マー)氏も模造品は同社にとって「がん」だと述べている。
同社の広報担当者は「(傘下のショッピングサイト)タオバオは模造品との戦いに多大な労力を投じてきたが、まだ終わらせるにはほど遠い」と述べている。
ただしアリババは今回の報告書には反発。当局の規制プロセスには問題があり、「タオバオを初めとする中国のオンライン企業に取り返しのつかない深刻なダメージを与えた」と主張し、異議申し立てを行う意向だ。
模造品問題は、投資家にとっても以前からの懸念材料だった。IPOに先立ち、アリババは複数の高級ブランドや業界団体と模造品販売を防ぐための取り決めを交わした。一部のショッピングサイトで偽物販売が3回以上判明した業者の出展を禁じるルールも制定した。
だがコロンビアスポーツウェアなどのブランドからは、こうした対策は効果を上げていないとの見方も出ている。