OPEC産油量、6月は3290万バレル 過去最高水準に
ロンドン(CNNMoney) 石油輸出国機構(OPEC)は17日までに、加盟国による今年6月の石油生産量は日量約3290万バレルに達し、近年では最高水準を記録したと発表した。
月例の統計公報で明らかにした。5月と比べ約1%増となる約26万バレルの上積みとなった。今年1~5月の平均生産量は日量3260万バレルにわずかに届かない水準となっている。
サウジアラビア主導のOPECは2014年以降、市場シェアの確保のため米国など非加盟国の産油国との間で価格競争を強いられている。この競争でのOPEC戦略が奏功している兆しが出ている。
OPECの予測によると、非加盟の産油国の供給量は今年1日当たり約90万バレル下落し、約5600万バレルになる見通し。
原油の取引価格は現在、1バレル当たり約46米ドル(約4830円)前後で14年半ばの水準からは半分以下となっている。今年2月には約26ドルまで落ち込んだが、最近は激しく値上がりしている。
6月の生産量を加盟国別に見た場合、増産分が最多だったのはアフリカ最大の経済大国ナイジェリア。同月以前の数カ月、反政府勢力による石油関連施設への攻撃が重なり生産活動は妨害されていたが、ここに来て回復してきた。6月は日量約10万バレル拡大し、現在は約150万バレルとなっている。
今年1月に核開発問題に絡む欧米の経済制裁が解除されたイランの生産量も上向いている。6月は日量360万バレルを超える水準に到達した。5月以降、1日当たり7万8000バレル増えた計算となる。ペルシャ湾沿岸のクウェート、サウジやアラブ首長国連邦(UAE)などの産油国も6月には増産を記録した。