マンチェスターの自爆テロ、欧州観光業界への影響は?
この背景には、昨年6月の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱が決まり、通貨ポンドが急落したという要因がある。外国からの旅行者にとっては、英国のホテルや食事、買い物が格段に安くなった。
専門家によれば、マンチェスターの事件で英観光業界の成長が止まることはないが、成長のペースは鈍くなる可能性がある。
英市場調査会社「ユーロモニター」は今回のテロを受け、今年1年間に英国を訪れる旅行者の伸び率予想を5.1%から4.9%に引き下げた。人数でいうと10万人前後の縮小となる。
同社のアナリスト、キャロライン・ブレマー氏は「全体からみればごくわずかな引き下げだが、影響が出るのは明らかだ」と指摘。そのうえで「旅行者は英国に行っても大丈夫という安心感を求めている」と語り、英当局が事件にどう対応するかが重要な鍵になるとの見方を示した。
マンチェスターはもともとロンドンのような主要観光都市ではないため、旅行者への影響は限定的だろうと予想する声もある。それでも「小さな変化が長期間積もれば、相当の経済的打撃になる」と、サリー氏は警告している。