経済苦境のベネズエラ、外貨準備高が20年ぶりの低水準に
ニューヨーク(CNNMoney) 政情不安と経済危機が深刻化する南米ベネズエラの外貨準備高が100億ドル(約1兆1200億円)を下回り、過去20年以上で最も低い水準となったことが18日までに分かった。
外貨準備高が100億ドルを切るのは1995年以来初めて。同国中央銀行が16日に発表したデータで明らかになった。ベネズエラは世界最大の原油埋蔵量を保有するとされ、一時は南米で最も裕福な国だったこともある。
マドゥロ政権は外貨準備を取り崩し続け、公的債務の支払いに充てている。ベネズエラは今年末までに50億ドル近い債務の返済義務を負う。一方で他国からの輸入は減少しており、国民は食料品や医薬品の極端な不足にあえいでいる。
調査会社キャピタルエコノミクスの南米担当エコノミスト、エドワード・グロソップ氏は、ベネズエラの債務支払い能力について「一段と脆弱(ぜいじゃく)になっている」と指摘。市場では年内のデフォルト(債務不履行)を危惧する声が高まりつつある。
ベネズエラの外貨準備の大半が現金ではなく、グローバル市場で価格が変動しやすい金で保有されていることも問題を難しくしている。
こうした中、憲法改正を目指すマドゥロ政権は、新憲法制定のための制憲議会議員選挙を今月30日に行いたいとしている。ただ16日に実施した非公式の国民投票では、700万人を超える参加者の98%が政権の計画に反対票を投じた。投票は野党が主催し、CNNの計算によれば有権者全体の約37%が投票所に足を運んだ。