米中貿易摩擦、来年の米大統領選後まで「継続」か
ニューヨーク(CNN Business) 米中間で対立が激しくなっている貿易摩擦が来年の米大統領選が終わるまで決着がつかないのではないかとの見方が出てきている。
米金融大手ゴールドマン・サックスは顧客へ向けたリポートで、米中の当局者がより強硬な姿勢を取っているため、通商交渉で合意に達するのが「遠い先のようにみえる」と指摘した。
最もあり得そうなのは、合意が大統領選前に成立することはなく、トランプ大統領が中国からの輸入品3000億ドルに対して10%の追加関税をかけるという姿勢を選挙当日まで維持し続けることだという。
世界経済にはすでに影響が出ているが、今回の見方が正しければ、先行きが不透明な期間はさらに長引き、追加関税によって経済成長はさらに減速しそうだ。
ゴールドマン・サックスはリポートで、「われわれはこれまでトランプ大統領について、取引の成立を通じ、より有利な状況での再選を目指そうとするだろうと考えていた。」と指摘。しかし、こうした見方に対しては以前よりも確信が持てなくなったという。
言い換えれば、トランプ大統領は次のように判断したのかもしれない。自らの再選のチャンスを高めるには、安易に取引に応じない姿勢を印象付け、あらゆる手段を尽くして中国側に公平な貿易を行わせる方針をアピールするのが効果的だと。
投資顧問会社ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ氏も、選挙までの間に合意が成立しない可能性が高まったとの見方を示す。「トランプ大統領は、中国からの輸入品全てに対して一律に25%の関税をかけても耐えられるくらい米経済は堅調だとみている」と指摘した。