自動運転EVトラクター、農業の二酸化炭素排出を削減
ロンドン(CNN Business) 米カリフォルニア州に拠点を置く新興企業「モナーク・トラクター」は自動運転する電動トラクターで農業の環境負荷を少なくし、収穫量の拡大を支援することを目指している。同社は世界初の完全電動で自動運転するトラクターとうたっている。
運転手は必要ないものの、米国の規則に準拠するためには、リアルタイムで警告を受け取り、必要があればトラクターを停止することができる指定された遠隔オペレーターが必須となる。トラクターにはセンサーが搭載されており、家畜や作物を検知しているほか、衝突回避システムにより農場労働者がそばにいても自動稼働できる。
モナークの創業者で最高経営責任者(CEO)のプラビーン・ペンメトサ氏はモビリティーやエネルギーの分野で20年近い経験を持ち、科学技術がどのように業界を変革するか理解している。ペンメトサ氏はCNN Businessの取材に対し、そうした2つの分野の変革をみて、世界の農業が変革のときを迎えているとの考えに至ったと述べた。
モナークによれば、自社のトラクターをディーゼルのトラクターと置き換えて、再生可能エネルギーで充電すれば、二酸化炭素(CO2)の排出を平均して年間53トン削減できるとしている。これは路上からガソリンで走る乗用車14台がいなくなるのと同程度の削減量だという。
トラクターは稼働中にデータを収集することができ、農業従事者に対して、土壌の状態や農作物の育成状況、長期的な収穫高といった情報の提供や、灌漑(かんがい)の水漏れや農作物の変色といった問題を警告できる。