ドイツ銀行、大規模リセッション到来を警告
ニューヨーク(CNN Business) ドイツ銀行は26日、 米連邦準備制度理事会(FRB)が行うかたくななインフレ抑制策により「大規模なリセッション(景気後退)」が起きると警鐘を鳴らした。同行は今月初め、米国が「緩やかな」リセッションに入ると大手金融機関で最初に予測し、世間を驚かせていた。
大規模なリセッションの見通しは、同行のエコノミストらが顧客向けの報告書の中で述べた。
ドイツ銀行によればインフレ率はピークを迎える可能性があるものの、問題はFRBが目標に掲げる2%にまで下がるには「長い時間」がかかることだという。このためFRBは金利を急激に引き上げ、それが経済に痛手をもたらす恐れがある。
結果的に、この後やってくるリセッションは従来の想定よりも深刻なものになると、ドイツ銀行のエコノミストらは指摘する。
米国の消費者物価は3月、8.5%上昇し、過去40年間での最速ペースを記録した。
ドイツ銀行は、より暗い見通しの背後にある最も重要な要因として、一般的な予想よりインフレが根強く継続する可能性に言及。グローバル化の逆行や気候変動のほか、ウクライナでの戦争と、中国における新型コロナ感染抑止策としてのロックダウン(都市封鎖)に起因するサプライチェーン(供給網)の一段の寸断がこうした傾向に拍車をかけていると分析した。
さらに今後のインフレ期待の増大が、実際のインフレを後押しするだろうとも述べた。
一方、米金融大手のゴールドマン・サックスは22日、高インフレと賃金上昇の抑え込みは「極めて困難」だと認めつつ、リセッションは「不可避ではない」と強調。
スイス金融大手UBSも25日、FRBが利上げでインフレ抑制を図っても経済の拡大は続き、リセッションには入らないとの見通しを示した。