米バズフィード・ニュース、閉鎖へ 人員削減の一環
ニューヨーク(CNN) 米バズフィードのジョナ・ペレッティ最高経営責任者(CEO)は20日、ピュリツァー賞を受賞したニュースサイト「バズフィード・ニュース」を閉鎖すると発表した。
バズフィード・ニュースは約10年前にインターネットを席巻し、従来型のメディア組織から羨望(せんぼう)を集めていた。
ペレッティ氏が従業員にメモで明らかにしたところによると、サイト閉鎖は全社的な人員削減の一環。同社は全従業員の15%に当たる180人を削減する方針だという。
ペレッティ氏は「人員削減はほぼあらゆる部門で行われているが、我々は独立した組織としてのバズフィード・ニュースに資金を出し続けることはできないと判断した」と説明した。
バズフィードは同社の労働組合と協議を開始した。
ペレッティ氏は20日午前、編集室で1時間近くにわたって説明を行い、一部のスタッフはニュースサイトのハフポストで職が見つかるかもしれないと示唆。バズフィードは2020年にハフポストを買収している。
ペレッティ氏は「今後、当社のニュースブランドはハフポストのみになる。ハフポストは利益が出ていて、直接トップページを訪れる熱心な読者がいる」とも言い添えた。
今回のニュースは衝撃ではあるが、それほど意外ではない。以前のバズフィードはニュースに多額の投資を行い、従来型メディアの編集室からエース記者を引き抜き、世界各地に支局を開設していたが、近年は方針転換して人員を大幅削減していた。
サイト閉鎖の知らせを受け、バズフィード・ニュースの元従業員からは悲しみや失意のメッセージが相次ぎ寄せられた。
米誌フォーブスの編集者を務めるバズフィード・ニュースの元記者、ジョン・パチュコフスキー氏はツイッターで「茶番にも程がある。ジャーナリズムにとって大きな損失だ」と言及。米ニュースサイト「アクシオス」の編集者で、バズフィード・ニュースの支局長を務めた経験を持つケート・ノセラ氏は「以前から分かっていたこと」だが、それでも「胸が痛む」とつづった。