国交省、トヨタ本社に立ち入り検査 車の認証不正巡り
東京(CNN) 車の大量生産に必要な「型式指定」を巡る認証不正があった問題で、国土交通省は4日、トヨタ自動車本社への立ち入り検査を実施した。
国交省によると、車両の性能試験に関して不正確または虚偽のデータを提出したことが発覚したメーカーはトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキ、ヤマハ発動機の5社。同省はCNNの取材に答え、トヨタ本社での検査は向こう数日続くと明らかにした。
トヨタ、マツダ、ヤマハに対しては一部モデルの出荷停止が命じられた。また全5社が安全性能の認証手続きを見直すよう告げられた。
トヨタは3日に声明を出し、既に自社で行った調査の結果、少なくとも7車種については国の基準と異なる方法で試験が実施されていたことが分かったと述べた。
具体的には歩行者・乗員保護試験でのデータ不備、衝突試験などの試験方法の誤りが発覚したという。調査は現在も続いている。
該当する車種の一部は既に生産を終了している。検証の結果、安全規則に対する違反は確認されておらず、対象車種の利用者が使用を控える必要はないとトヨタは述べている。
SBI証券企業調査部の遠藤功治シニアアナリストは、日本の認証試験について、他国と比べ非常に厳格だと説明。関連する規則が作られたのは1951年とかなり古く、多くの自動車メーカーにとっては従うのが難しくなっているとの見解を示した。
その上で、トヨタの実施する膨大な数の試験のうち懸念が浮上しているのはわずか数件のみだと指摘。それでも販売台数世界一の自動車メーカーという立場から、今回のスキャンダルは大きな問題になったと示唆した。
トヨタの豊田章男会長は3日の記者会見で、今回の問題について謝罪した。
トヨタの工場は立ち入り検査中も稼働を続けるが、調査対象の3車種の生産は停止されると国交省は述べた。