「骨抜き」表示の手羽の骨で喉を負傷、店を提訴も判事は「店に責任無し」の判断 米オハイオ州
(CNN) 骨抜きの手羽として注文した料理に入っていた骨で喉(のど)を負傷したとして男性が米オハイオ州のレストランを訴えた裁判で、同州最高裁は25日、店側には負傷の責任がないとする判断を下した。控訴裁がこれより前に示した判断を支持した形だ。
原告の男性は2017年、前年に同州ハミルトンの手羽専門店で骨抜きの手羽を食べた際、骨が喉に引っかかり治療が必要な事態になったとして店側を提訴した。
判事の票は4対3に割れたものの、最終的にはメニューにある「骨抜き」の記載は「料理の種類の説明であり、(骨がないことの)保証ではない」との判断が下った。またこれに先駆け控訴裁でも、「常識に照らせば肉料理の中に骨の一部が存在するのは『骨抜き』の表示があったとしても十分自然に起こり得ることなので、顧客は当然それを予期し、注意するべきである」との判断が示されていたと指摘した。
その上で州最高裁は、顧客が料理の中の危険な物体について合理的に予期、注意出来た場合は、店側に義務の違反は発生しないとの見解を表明した。
CNNはレストラン側と男性の弁護士にコメントを求めている。
裁判所の文書によれば、男性は16年、「いつも通りに注文」して骨抜きの手羽を食べていたところ、一部が「誤って気管に入る」のを感じたという。
それから数日間は食事に苦労し、発熱にも見舞われた。最終的には緊急治療室での治療を余儀なくされたという。
診断記録によると、男性を治療した医師は長さ5センチの鶏肉の骨が食道に引っかかっているのを見つけた。骨は食道の一部を傷つけており、そこから感染症も発生。治療が長引く事態にもなっていた。
男性は17年、レストランと食材メーカー、養鶏場を相手取り、バトラー郡の普通裁判所に提訴した。裁判所は販売側に立ち、訴えを棄却。骨の破片が肉料理に入っているのは普通のことで、顧客がそれに注意するべきとした。
男性は控訴裁、州最高裁へと上訴したが最終的に後者が訴えの棄却を支持した。
ただ反対意見を唱えた判事は、陪審が審理に携わるのを認めるべきだったと指摘。そうすれば顧客が骨抜きの手羽を注文するに当たって何を合理的に予期しているのか、どんな裁判所よりも適切に判断できただろうと述べた。