機内でソーダ缶の破裂百件以上、酷暑に冷蔵不足原因か 米航空会社
(CNN) 米サウスウェスト航空の客室乗務員組合は28日までに、機内で乗客に提供するソーダの缶が飛行中に破裂する事例が今年6月に100件以上起き、一部の乗務員がけがを負ったと報告した。
CNNの取材に、組合幹部は7月末までにはこの種の破裂は最大で約3倍にも増えるとも予測。「長年起きていた問題だが今年は平年以上に多い」とも説明した。サウスウェスト航空は破裂した事例の件数や負傷者数などはコメントしていないが、破裂の発生自体は認めた。
背景には酷暑に襲われている他、飲み物類の管理方法で冷蔵トラックや冷蔵保管施設を持たない独自の手法があるとみられる。
米CBSニュースによると、同航空には傷みやすいものは提供しないとの方針があり、冷蔵トラックなどを保有する必要がない。この処置が、ラスベガス、フェニックス、ヒューストンやダラスを含め米国内で最も暑い地域に位置する空港でソーダ缶を猛烈な熱波にさらす結果になっているとした。
米テキサス大学オースティン校の教授(化学専攻)は、炭酸飲料を含む缶類は強烈な熱波の環境に置かれれば「小爆弾」の状態になると指摘。缶をわずかに動かしたり、開栓しなかったりしても破裂が起きる可能性があるとした。
同航空の報道担当者は声明で「我々は缶破裂の問題を承知しており、機上に積んだ飲み物類をより冷たくし続ける措置を講じている」と指摘。特に過度の高温に見舞われている空港で注力しているとした。
今年は激しい熱波の襲来がより目立ち、米国内の約100都市でこれまで最も暑い夏を記録している。この中にはサウスウェスト航空の拠点であるフェニックスとラスベガスも含まれる。
同航空と客室乗務員組合はCNNの取材に、破裂の問題を緩和させるための努力に共に取り組んでいると主張。炭酸飲料の飲み物の輸送に冷蔵トラックやトレーラーを使い、缶の温度を測り、機内へ安全に持ち込めるのかを決めているなどとした。