2億2800万年前のカメ、甲羅なかった くちばしは発達
(CNN) 米フィールド自然史博物館などの研究チームはこのほど、中国貴州省で見つかった2億2800万年前の初期のカメの化石について、甲羅を持たない新種のものと判明したと発表した。ただ、甲羅と同じくカメの主要な特徴である、歯のないくちばしは備えていたという。
研究結果は22日の英科学誌ネイチャーに発表された。
新種に付けられた名前は「エオリンコケリス・シネンシス」。「中国で見つかったくちばしのある最古のカメ」という意味で、くちばしを持つに至ったほぼ最初のカメであることから名付けられた。
フリスビーのような形状の体に大きな肋骨(ろっこつ)を備えているが、こうした肋骨が現代のカメに見られる甲羅の形成につながることはなかったようだ。
論文の共著者を務めたフィールド博物館の古生物学者は声明で、このカメについて「体長約1.8メートルで、円盤のような奇妙な胴体と長い尾を持っていた。奇妙な形のくちばしはあごの前部が発達したものだ」と説明。おそらく浅瀬に生息し、泥を掘って食料を探していたのではないかとの見方を示した。
カメの進化の過程は複雑で、整理が難しい。他の初期のカメでは、部分的な甲羅を持つものの、くちばしは有していないものも見つかっている。現代のカメは甲羅とくちばしの両方を備えているが、そこに至る進化の過程は直線的ではなくジグザグ状だったとみられる。
エオリンコケリスは他のカメに先駆けてくちばしを発達させており、別々の時期にそれぞれ独立した形で各部の特徴を進化させる「モザイク進化」の好例だという。