ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、きょう打ち上げ 開発に1兆円超
(CNN) 約100億ドル(約1兆1400億円)を投じて開発されたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が25日、フランス領ギアナから打ち上げられる。打ち上げの模様は米航空宇宙局(NASA)のウェブサイトで米東部時間25日午前6時(日本時間同日午後8時)からライブ配信される。
ウェッブ望遠鏡は太陽系外惑星の調査に加え、ビッグバン後に形成された最初期の銀河や宇宙の構造そのものの観測を時間をさかのぼって行う。
赤外線探査機の役割を果たして不可視光を検出し、他の方法では見えない宇宙の領域を明らかにする見通しだ。
ウェッブ望遠鏡は宇宙の歴史のあらゆる局面を調査する予定で、宇宙をつくったビッグバンの後の最初期の光や、現在の宇宙を満たす銀河、恒星、惑星の形成も観測対象になる。その数々の能力により、太陽系に関する疑問を解明したり、135億年前に形成された初期銀河のかすかな信号を調べたりすることが可能になる。
「我々が現在観測できるのはビッグバン後5億~6億年、今から130億年近く前の時期だ」。アリゾナ大学スチュワード天文台の教授で、ウェッブに搭載される近赤外線カメラの主任研究員も務めるマーシャ・リーケ氏はそう語る。
だがウェッブの赤外線カメラなら、宇宙草創期に銀河から放たれた最初のかすかな光を検出できる可能性がある。リーケ氏によると、宇宙の拡大に伴い、こうした遠方の銀河は私たちから急速に離れていくため、光の波長が引き延ばされ赤外線でしか観測できなくなるという。