55歳以上の米国人、42%がいずれ認知症を発症 米予測
(CNN) 米国の55歳以上の人口の5人に2人に当たるおよそ42%が晩年に認知症を発症するという予測が、13日の医学誌ネイチャーメディシンに発表された。
人口の高齢化が進む中、認知症と診断される患者の数は年に2倍のペースで増え、2002年の約51万4000人から60年には約100万人に達すると予想している。
その背景として指摘されているのが1946~64年に生まれたベビーブーマー世代の高齢化だ。米国勢調査局によると、2020年のベビーブーマー世代の人口はおよそ7300万人。最も若い世代でも60歳になった。
40年にはベビーブーマー世代は75歳以上になる。認知症と診断される人は、75歳以降で急増する。今回の調査によると、75歳になる前に認知症と診断される人は約17%のみ。平均すると81歳で診断されている。
今回の調査は約1万5000人を対象とし、それぞれの患者を平均で23年にわたって追跡調査した。
認知症のリスクは人種によって大きな差があった。黒人の成人は白人の成人と比較して認知症と診断される割合が突出して高く、発症時期も早い傾向があることが判明。認知症と診断される黒人の成人は60年までに3倍に増える可能性があると推定されている。
認知症の発症リスクは高齢女性が約48%と、高齢男性の35%を上回った。ただしこの差は主に、女性の方が長生きする傾向と関係がある。
「アポリポタンパクE(APOE)」と呼ばれる遺伝子(血流を通じてコレステロールなどの脂肪を運ぶ過程に関係)を持つ高齢者の方がリスクが高いことも分かった。この遺伝子を持たない高齢者の発症リスクは39%だったのに対し、遺伝子を持つ高齢者の発症リスクは48~59%に上った。