山火事の影響受けたハリウッド、グラミー賞とアカデミー賞は開催へ 消防士にも焦点
(CNN) 米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で山火事が発生し、娯楽産業の中心地である「ハリウッド」にも影響が及ぶなか、音楽界の祭典グラミー賞を主催するザ・レコーディング・アカデミーと、映画界の祭典アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは13日、それぞれの授賞式を予定通り実施すると明らかにした。
グラミー賞の授賞式は2月2日、アカデミー賞の授賞式は3月2日にそれぞれ予定されている。ロサンゼルスが壊滅的な山火事に見舞われるなか、主催者は受賞シーズンをどのように進めるのか水面下で議論を進めてきた。
一部の有名人からは、式典を中止するか、チャリティーのためのテレビ番組として募金を呼び掛けるよう求める声も出ている。
ゴールデングローブ賞やグラミー賞、アカデミー賞などの授賞式典が開催される受賞シーズンは、ハリウッドが最も輝く時期だ。ロサンゼルスでは何千もの家庭が避難して住む場所を失う一方で、高収入の有名人が受賞のために登壇する様子を眺めると感覚が鈍ってしまう恐れがある。しかし、経済的にみれば、こうした式典によって、ケータリングや運転手、照明の専門家など、娯楽業界に不可欠な何千人もの労働者に収入がもたらされている側面もある。
グラミー賞は授賞式の実施を発表したが、式典は救助隊や消防士らに焦点が当たるよう再構築され、チャリティーの要素を含んだものとなる見通し。
ザ・レコーディング・アカデミーの最高経営責任者(CEO)らは会員に宛てた書簡で、「困難な時代において、音楽には他にない癒やしや慰め、団結を促す力がある」と訴えた。グラミー賞は音楽界の芸術性や功績をたたえるだけでなく、偉大なロサンゼルス市の特徴でもあるレジリエンス(復活力)の精神を増幅させるプラットフォームとしても機能するとしている。
映画芸術科学アカデミーも13日、3月2日に授賞式を実施する方針を明らかにした。
アカデミー賞は、投票の期限が今月17日まで延期となったほか、ノミネート作品の発表も23日に変更となった。発表も本人の出席ではなく、ビデオ通話で行われる。ノミネートされた人たちを祝う昼食会も今年は中止となった。
映画芸術科学アカデミーのCEOらは会員に宛てた書簡で、全員が、火災の影響と関係者の多くが経験した甚大な損失に打ちのめされているとしたうえで、同団体は常に映画業界をまとめる力であり、苦難に直面しても一緒に立ち向かうことを約束すると述べた。