ロス山火事で電力会社SCEに訴訟、住民が送電塔の発火目撃
(CNN) 米カリフォルニア州ロサンゼルスの電力会社サザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)が同市で発生した山火事の一つを引き起こしたとして提訴されたことがわかった。この山火事では少なくとも24人が死亡し、数万人が避難を余儀なくされている。
アルタデナ地区の自宅が全焼したジェレミー・ガーシー氏は13日、ロサンゼルスの高等裁判所に「イートン火災」を引き起こした責任がSCEにあるとして提訴した。SCEはこの主張を繰り返し否定している。ロサンゼルス・タイムズ紙によると、地元当局も同日、火災の原因はまだ特定されていないとしながらもイートン・キャニオンの送電塔が同火災の発生源である可能性を調査していると明らかにした。
ガーシー氏は、アルタデナの住民が7日午後6時15分ごろ、イートン・キャニオンを通る送電線の下の小さな炎を捉えた写真を証拠に挙げた。
撮影した住民はSCEが今回の火災に責任があるかどうか確信が持てないとしているものの、パサデナとアルタデナで最初の火災が発生したのは断言できるとしている。火災が発生したイートン・キャニオンはアルタデナとパサデナの境界にあり、そこにある送電塔の下で発火したという。住民は「下のほうで小さな火の手が上がり、10分もたたずに丘全体が火に包まれた」と話している。
SCEは13日の声明で、イートン・キャニオン地域の回路と送電線を調べ、同社の電気設備が火災の原因ではなかったことが判明したと述べた。
「その分析では、火災が発生したとされる時刻の12時間前から、発生の1時間後まで中断や運用上の異常、電気の異常は見られなかった」(SCE)
SCEは訴訟に関するコメントの要請に応じなかった。
ガーシー氏の代理人は13日、SCEの責任を示唆する証拠が増えていると述べた。
代理人は、国立気象局から強風警報が発令されているにもかかわらず同社が送電線への通電を止めなかったことが火災の原因である可能性が高いと述べた。現時点で確証はないもののさらなる証拠がでてくるとの見通しを示している。