サメの赤ちゃん誕生の謎、水槽にいたのはメス2匹のみ 米水族館
(CNN) 米ルイジアナ州の水族館で誕生したサメの赤ちゃんが関係者を沸かせている。赤ちゃんはオスのいない水槽で生まれた卵から孵化(ふか)していた。
同州のシュリーブポート水族館でナヌカザメの卵が孵化したのは1月上旬。この水槽にいたのはメス2匹のみで、オスはいなかった。赤ちゃんザメは「ヨーコ」と命名された。
産卵したと思われるメスのサメは、いずれも3年以上、オスと接触していなかった。
水族館によると、オスなしで卵が孵化する現象には二つの可能性が考えられる。
一つは受精しなくても卵子から胚が発達する単為生殖と呼ばれる現象。もう一つは、交尾から相当の時間がたった後に受精が起きる遅延受精という現象。
サメの生態に詳しい専門家によると、単為生殖はトラフザメやシロボシテンジクザメなどさまざまな種類のサメで確認されているほか、エイの仲間でも起きたことがあるとされる。
単為生殖は一般的に、メスがオスから隔離された環境で起きる。ただ、オスが存在していても単為生殖が起きた事例もあるという。
遅延受精については、メスのサメがどれくらいの期間にわたって精子を保存できるのかはほとんど分かっていない。メスが少なくとも45カ月間、精子を保存していた種も見つかっているという。
シュリーブポート水族館は、ヨーコが成長した段階で遺伝子検査を行って誕生の仕組みを解明したい意向。「これが本当に単為生殖または遅延受精だったのかどうかを見極めたい。生命は道を見つけるものだということが、これで真に証明された」とコメントしている。