遺伝子改変したブタの腎臓移植に成功、「異種移植」大きな前進 米
大勢の患者にとって希望の光
アンドリュースさんは移植手術からわずか1週間で退院したが、引き続き経過観察が行われている。
週3回の血液検査に加え、複数の端末を使って医療チームが遠隔でアンドリュースさんのバイタルサインや心拍リズムを監視している。また人間の腎臓を移植した場合と同様に、拒絶反応を抑制するために、アンドリュースさんは生涯にわたって免疫抑制剤を服用する必要がある。
米国では3700万人の成人が慢性腎疾患を抱えており、そのうち約80万人が末期の腎不全を患っている。
ニューヨーク大学ランゴーン医療センターの移植外科医ジェイム・ロック医師によると、同センターでは毎年8万~10万人の患者を腎臓移植の待機リストに登録するが、年間に実施する腎移植は2万5000~2万8000件にとどまるという。しかも、腎不全を患うすべての患者が待機リストに登録されるわけではない。
アンドリュースさんのように末期の腎疾患を患う患者にとって、この新たな臓器は全く予想していなかった明るい兆しだ。
「まさに一筋の希望の光だ」とアンドリュースさんは述べた。