幸福感の向上にも、世間話がうまくなるコツとは 専門家がアドバイス

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専門家によれば、世間話は気分の高揚など全体的な幸福に良い影響を与えるという/Thomas Barwick/Digital Vision/Getty Images

専門家によれば、世間話は気分の高揚など全体的な幸福に良い影響を与えるという/Thomas Barwick/Digital Vision/Getty Images

(CNN) スーパーマーケットやドラッグストアのレジで並んでいる時に見知らぬ人に声を掛けられ、世間話をすることがある。

人によっては、この一見些細(ささい)な会話を恐れたり、時間の無駄だと考えたりするかもしれない。逆に、この軽い会話を楽しむ人もいるだろう。大抵の場合、特に見知らぬ人や知人が相手の場合は、互いの共通点を探ろうとするため、世間話は避けられない。

世間話に不慣れな人にとっては、難しく感じられるかもしれないが、世間話が上達する方法は複数存在する。

スタンフォード大学経営大学院で組織行動学の講師を務めるマット・アブラハムズ氏は、世間話は人の幸福感を高める可能性があり、試す価値はあると語る。

実際、あまり親しくない人との軽い会話は、気分を高めたり、孤独感を和らげたりするなど、健康や幸福感に良い影響を与えることが研究で明らかになっている。

「我々、心理学者は、世間話は極めて重要なものと考えている。我々が食べ物や水を必要とするのと同じだ。我々には、自分は社会の一員であり、他の人々にとって大切な存在だという実感が必要なのだ」と語るのは、英サセックス大学の「親切の心理学」准教授で、最小限の社会的交流の影響について研究しているギリアン・サンドストロム博士だ。

知人や見知らぬ人と軽い会話を交わすことにより、人々は互いに親しみが深まり、より強いコミュニティー意識を持つことができるとサンドストロム氏は言う。

同氏の研究によると、隣人やカフェのバリスタとの会話など、日常的な軽い交流が多い人ほど、社会やコミュニティーへの帰属感が強いという。

では、世間話が得意になるにはどうすればいいか。

米コーネル大学の経営組織学教授で組織心理学者でもあるスニータ・サー博士は、職場のイベントや交流会などでは、事前に参加者のリサーチを行ったり、質問を用意したりするなど、事前に準備することにより緊張が和らぐと語る。

また即興が求められる場面でうまく会話をする最も簡単な方法は、周囲の状況について気付いたことを述べたり(これこそ人々がよく天気を話題にする理由)、相手についてもっとよく知るために一般的な質問をしたりすることだとサー氏はアドバイスする。

また、返事をする前に少し間を取って落ち着くことにより、話が冗長になるのを防ぎ、返答の構成や明確さを高めることができる。

しかし何事もそうだが、世間話もうまくなるには練習が必要だとサンドストロム氏は言う。長い間、カジュアルな場で人と交流していないと世間話は実際よりも怖く感じるかもしれない。

サンドストロム氏の研究によると、人は世間話をすればするほど、自分の社交スキルへの自信が高まり、他人に拒絶されることに対する不安が減るという。

しかし本来、世間話は気軽に楽しむものであり、ほんの少しのユーモアと相手への思いやりが大切、とサー氏は述べた。

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