反ドーピング機関にハッカー侵入、米五輪選手らの情報を公開
テニス女子のビーナス・ウィリアムズ選手も検査結果が盗まれたことを認める声明を出し、治療目的での薬物使用を認められていたと述べた。治療の理由には言及しなかったものの、ルール順守の姿勢を強調している。
バスケットボール女子のエレナ・デレ・ダン選手の検査結果も流出した。本人は「私がWADAの承認を得たうえで合法的に、治療目的で薬を使っていることを世界に知らせてくれたハッカーに感謝する。ありがとう」と投稿した。
WADAによると、ハッカーは偽の電子メールを使った手口でWADAのデータベースに入るパスワードを取得し、情報を盗み出したとみられる。
ロシアのタス通信によると、ペスコフ大統領報道官は同国政府の関与を強く否定する声明を出した。
WADAのデータベースから情報が流出したのはこれが初めてではない。8月にはロシアによる組織的なドーピングを告発したロシア人ランナー、ユリア・ステパノワ選手の個人アカウントにもハッカーが侵入していた。
WADAのニグリ事務総長は声明で「WADAと国際的な反ドーピング体制を弱体化させようとしている」「ロシアへの信頼回復に向けた努力を大きく妨げる行為だ」と非難した。