反ドーピング機関にハッカー侵入、米五輪選手らの情報を公開
ロンドン(CNNMoney) 世界反ドーピング機関(WADA)は13日、同機関のデータベースにロシアのハッカー集団が侵入し、リオデジャネイロ五輪で活躍した米国人選手らの医学データが盗まれたと発表した。
「ツァー・チーム」「ファンシー・ベア」と称するハッカー集団で、盗んだデータの一部を公開したうえ、今後さらに他国の情報も流出させると予告している。今年6月に米民主党全国委員会(DNC)の選挙戦略に関するデータを流出させたのも同じ集団だ。この問題で党全国委員長は辞任に追い込まれた。
ファンシー・ベアを名乗るサイトには「世界の市民の皆さん、こんにちは。自己紹介をさせてください」「フェアプレーとクリーンなスポーツを支持します」などと書かれている。
米体操協会によると、流出データの中にはリオ五輪の体操女子で金メダル4個を獲得したシモーン・バイルス選手のドーピング検査の結果も含まれていた。
同協会は声明で、バイルス選手が治療目的で特定の薬物を使うことを認められていたと説明。正式な申請手続きを取り、ドーピング検査に関するいかなるルールにも違反していないと強調した。
バイルス選手はツイッター上で「注意欠陥・多動性障害(ADHD)で薬を服用しているが、これは恥ずかしいことではない。人に知られるのを恐れてはいない」と言明した。