米俳優ダニー・アイエロさん死去 「ドゥ・ザ・ライト・シング」など

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1989年の映画「ドゥ・ザ・ライト・シング」のピザ店主人役を演じたダニー・アイエロさん(右)。/40 Acres & A Mule Filmworks

1989年の映画「ドゥ・ザ・ライト・シング」のピザ店主人役を演じたダニー・アイエロさん(右)。/40 Acres & A Mule Filmworks

(CNN) スパイク・リー監督の映画「ドゥ・ザ・ライト・シング」でアカデミー賞助演男優賞候補になるなど数々の作品に出演した米俳優、ダニー・アイエロさんが死去した。86歳だった。家族の代理人が13日、CNNに明らかにした。

家族はCNNに寄せた声明で「最愛の夫であり、父親、祖父、役者、ミュージシャンでもあったダニー・アイエロが短い闘病の末に昨晩死去したことを、深い悲しみとともに報告する」と言及。プライバーへの配慮を求めるとともに、葬儀の日程については後日発表すると述べた。

アイエロさんは「月の輝く夜に」や「ゴッドファーザーPART2」など多数の映画に出演し、米歌手マドンナの楽曲「パパ・ドント・プリーチ」の音楽ビデオでは父親役を務めた。

ニューヨーク市マンハッタン生まれ。縫製の仕事をする母と労働者の父の間には6人の子どもがいて、下から2番目だった。母親はイタリア南部ナポリ出身で、15歳の時に父親と結婚していた。

学校は8年生(中学2年生)で中退し、雑用仕事をした。少年ギャング団の一員としてボウリング場に盗みに入ったこともある。16歳のとき、年齢を偽って陸軍に入隊するとドイツに派遣され、3年後に名誉除隊となった。帰国後の1955年に結婚して身を落ち着けた。

2005年のトロント国際映画祭で撮影に臨むダニー・アイエロさん/Carlo Allegri/Getty Images North America/Getty Images
2005年のトロント国際映画祭で撮影に臨むダニー・アイエロさん/Carlo Allegri/Getty Images North America/Getty Images

米紙ニューヨーク・タイムズによれば、マンハッタンのバスターミナルでの仕事に就くとそのキャラクターですぐに有名になったが、その後10年間は家族は生活に苦労したという。家族を養うために盗みに入ったこともあると告白している。

だが、コメディークラブでの仕事で声を掛けられ、司会などを担当するようになり、パフォーマーとしての道が開けていった。オーディションを経て、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「アパッチ砦・ブロンクス」など様々な映画に出演した。

100以上の役でスクリーンに登場したが、中でも出色は「ドゥ・ザ・ライト・シング」での演技だ。黒人住民の多い地域でピザ屋を経営する男性を演じて観客の共感を呼び、アカデミー賞候補に挙げられた。

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