ピアース・モーガン氏、英テレビ番組を降板 メーガン妃批判への指摘で途中退席も

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英テレビ司会者のP・モーガン氏が、メーガン妃への批判をめぐる口論を受けて降板した/Frazer Harrison/Getty Images for BAFTA LA

英テレビ司会者のP・モーガン氏が、メーガン妃への批判をめぐる口論を受けて降板した/Frazer Harrison/Getty Images for BAFTA LA

ニューヨーク(CNN Business) 英テレビ局ITVは9日、同局の朝の番組「グッド・モーニング・ブリテン」の司会者ピアース・モーガン氏が番組を降板すると突如発表した。モーガン氏は米テレビ局で放映された英ヘンリー王子夫妻のインタビューに対する批判を展開し、苦情が殺到。規制当局の調査も招く事態となっていた。

ITVは「ピアース・モーガン氏はITVとの話し合いを経て、今が番組を去るときだと決めた。ITVはこの決断を受け入れる」との声明を発表した。

モーガン氏にコメントを求めたが返事はまだない。

同日朝の番組では、モーガン氏が自身の発言について共同司会者から批判を受け、一時退席する一幕があった。

メーガン妃は米CBSテレビで放映された人気司会者オプラ・ウィンフリー氏とのインタビューで、自殺を考えたことがあることや子どもの肌の色に関して王室メンバーから懸念が上がっていたことを明かしていた。

モーガン氏は8日にツイッターで、「メーガン妃を批判する人は誰でも差別主義者のいじめっ子と見なされる」などと投稿。同日の番組でも、メーガン妃の自殺を考えたとの発言について本当なのかと疑問を呈した。ただ、翌日の番組では「私が疑問を投げかけるべきものではない」と述べ、精神疾患や自殺は「極めて真剣に扱われるべきだ」と補足した。

英放送通信庁(オフコム)は9日午後の時点で同番組に対し4万1000件を超える苦情が寄せられたと発表。8日放映の同番組内容について、被害と不快に関するルールへの抵触がなかったか調査を開始した。

9日の番組では、共同司会者のアレックス・ベレスフォード氏がモーガン氏に、「あなたがメーガン妃を好きでないことは知っている。この番組で何度も明確にしてきた」「あなたがメーガン妃と個人的な関係があって、または過去にあって、彼女があなたを切ったと理解している」と発言。さらに「彼女があなたを切った後、彼女はあなたについて何か言ったか。私は言っていないと思うが、あなたは彼女を中傷し続けている」と述べた。

モーガン氏はその時点で立ち上がり、「わかった。これはもう終わりだ」などと言いながら退席。ベレスフォード氏はその後もモーガン氏の言動を「全く不愉快」と断じた。その後、コマーシャルやニュースの一部をはさんでモーガン氏は番組の席に戻った。

ヘンリー王子夫妻は一部の英メディアと関係が悪化し、特にタブロイド紙が「情け容赦ないキャンペーン」を仕掛けてきたとして訴訟を起こしている。モーガン氏はタブロイド紙の元編集者であり、CNNの元番組司会者でもある。

ベレスフォード氏はモーガン氏が席を立つ前、「婚約前後から悪いメディアがメーガン妃やヘンリー王子の精神衛生を信じがたいほど傷つけてきたのは極めて明らかだ」とも指摘した。2019年には英国議会の72人の女性議員が典型的な差別主義的報道を受けて、メーガン妃に連帯を示す書簡を送る出来事もあった。

キャサリン妃への好意的な報道と著しく対照的なメーガン妃に対する報道について、英メディアの姿勢を批判する人々からは、編集部の多様性の欠如に一部の要因があるとの見方が出ている。

ロイタージャーナリズム研究所の16年の報告書によると、英国人口に占める非白人の割合は13%なのに対し、英メディアの編集部では6%に過ぎない。黒人に限ると人口の3%に対して編集部ではわずか0.2%だという。

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