小道具の銃、スタッフは「実弾なし」と告げていた 米映画撮影現場
(CNN) 米俳優アレック・ボールドウィンさんが映画「Rust」の撮影現場で小道具の銃を発射し、2人が死傷した事件で、ボールドウィンさんに銃を渡した助監督は「(実弾が入っていない)コールド・ガン」だと宣言していたことが分かった。
現地の郡保安官事務所が撮影現場の捜索令状を取得した際の宣誓供述書を、CNN提携局が入手した。供述書によると、銃器担当のスタッフがカートに用意した3丁の銃のうち1丁を、助監督がボールドウィンさんに渡した。助監督はこの銃が実弾入りだとは知らなかったという。
発射された銃弾は撮影監督のハリーナ・ハッチンズさん(42)の胸部に命中。ハッチンズさんは搬送先の病院で死亡が確認された。近くにいた監督のジョエル・ソウザさん(48)も負傷した。
米紙ロサンゼルス・タイムズなどによると、同作品の撮影では最近、銃の扱いや新型コロナウイルス感染をめぐる安全対策への懸念から、スタッフが相次いで現場を抜けていた。
同紙は複数のスタッフらの話として、事件の前にも2回、誤射騒ぎがあったと伝えている。今月16日にはボールドウィンさんのスタントマン(代役)が「コールド」と言われた銃を撃ったところ、実弾が発射されるミスが発生していたという。
制作会社は声明で、撮影を中止して内部調査を進めると述べた。
銃器担当の女性スタッフは最近、ニコラス・ケイジ主演の西部劇映画で初めて銃器の責任者を務めたばかり。先月のインタビューで「まだ自信がなく、最初は断ろうとも思った」と話していた。
本人はこのインタビューで、もともと女優志望だったが銃職人の父から銃器担当スタッフの仕事を受け継ぎ、自然にこつを習得したとも語っていた。