サッカー女子W杯 仏代表の拡散動画が発信する力強いメッセージ、豪代表は賞金の男女同額を要求

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オーストラリアとの親善試合でプレーするフランス女子代表のサキナ・キャシャウィ選手/Mark Avellino/SIPAPRE/Sipa/AP

オーストラリアとの親善試合でプレーするフランス女子代表のサキナ・キャシャウィ選手/Mark Avellino/SIPAPRE/Sipa/AP

賞金の男女同額を要求するマチルダス

オーストラリア女子代表チーム、通称「マチルダス」も動画を公開。動画の中では23人の代表選手がより良い労働条件を獲得した先人たちの困難や功績を挙げつつも、まだ仕事は終わっていないと語る。

「今大会では736人の女子サッカー選手が、国の代表として世界の大舞台にのぼる名誉を得た。だがその多くが、いまだに団結権や団体交渉権という基本的権利を認められていない」と、ツィッターでシェアされた動画の中で選手たちは声を上げている。

「団体交渉を通じて、私たちはサッカルーズ(オーストラリア男子代表チーム)と同じ条件でプレーできるようになったが、ひとつだけ例外がある。FIFAが女子に授与する賞金は、同じ成績の男子に与える賞金の4分の1でしかない」と選手たちはさらに続けた。

FIFAのジャンニ・インファンティノ会長は、26年および27年の次期W杯で賞金の男女同額の実現を「目指す」と発言しているが、オーストラリア代表選手は確実に実現する確証を求めている。

FIFAは先月、勝利チームと選手に授与する過去最高額の賞金を発表した。大会出場を果たした全選手には1人あたり少なくとも3万ドル(約417万円)、優勝チームの選手には1人あたり27万ドル(約3455万円)が授与される。

FIFAは全世界の女子プロサッカー選手の平均年収が1万4000ドル(約195万円)前後だと指摘した上で、賞金が選手の生活やキャリアに「意味のある影響」をもたらすだろうと述べている。

「そればかりか、全加盟協会もチームの成績に応じて過去最高額の分配金を受け取ることになる。それを自国のサッカー活動に還元すれば、女子の試合のさらなる推進にも役立つだろう」とFIFAは続けた。

今年5月、インファンティノ会長は女子W杯放映権に対する入札額の低さを嘆き、「放送局は男子W杯には1億~2億ドル(約140億~278億円)も出すのに、女子W杯にはたった100万~1000万ドル(約1億3900万~13億9000万円)しか提示しない」と発言。1~2桁の違いがあることを強調した。

会長は当時、入札額の低さは「FIFA女子W杯の素晴らしい選手たち、ひいては世界中の女性たちに対する侮辱だ」とも発言した。

マチルダスの動画でも、キャリアを積んで生計を立てるのに選手たちがどれほど苦労しているかが指摘されている。

「トップクラスの女子選手は、アルバイトをすることなくスポーツを本業にしていくためにいまだに苦労している」と選手は言い、マチルダスの選手や未来の女子選手への支援をファンに呼びかけた。

「大会運営側には、選手であれ、コーチやスタッフ、審判員であれ、サッカー界の女子や女性たちに機会を与えられるようがんばっていただきたい」

「サッカー界、ビジネス界、政界の実力者の方々には、私たちと一緒に各所で女子サッカーをできる限り盛り上げてほしい」(オーストラリア女子代表選手)

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