1億6000万枚のカードデータ盗んだハッカー団摘発 米
ニューヨーク(CNNMoney) 米連邦検察当局は26日までに、複数の大手企業のコンピューターネットワークに侵入しクレジットカードなど1億6000万枚あまりの個人情報を盗んで売却したとして、ロシア人4人とウクライナ人1人を訴追したと明らかにした。
標的となったのは小売り大手のJCペニーやセブン-イレブン、格安航空会社(LCC)のジェットブルー、金融関係ではナスダックやダウ・ジョーンズなど10社を超える。被告らは金融取引や金融関連のデータの送受信を行っていたこれら企業のコンピューターシステムをハッキングし、ユーザー名やパスワード、本人確認用のデータ、クレジットカードやデビットカードの番号といった個人情報を盗んだという。
検察によれば米国で摘発されたなかでは過去最大の規模で、被害額は数億ドルに上るという。
5人の被告は明確に役割が分かれており、企業のシステムに侵入する役が2人、金になるデータを探す役が1人いた。ハッカーの身元を隠すための匿名ウェブホスティングサービスを用意した者や、データを売って利益を分配する役の者もいた。
このうち、システムへの侵入役だった2人はすでにニュージャージー州の企業5社へのハッキングに関与したとして起訴されていた。
当局が入手した被告らが交わしていたメッセージからは、何カ月もかけて企業のシステムをハッキングしていたことがうかがえる。「被告らはセキュリティーをかいくぐれるようになるまで辛抱強く待っていた」と検察は言う。被告らは1年以上の間にわたって、マルウエアを企業のサーバーに潜伏させていたという。
盗んだデータのうち、米国のクレジットカード情報は1件10ドル、カナダは15ドル、欧州は50ドルで売られ、常連客には割り引きも行っていたという。