中国工場で過酷な労働か 米アップルが実態調査へ
ロンドン(CNNMoney) 米アップル製品の部品を製造している中国の3工場で、従業員が過酷な条件で働かされている疑いが浮上し、アップルはこの3工場に調査団を派遣すると表明した。
非営利組織のチャイナレイバーウォッチは29日、アップルの「iPhone」や「Mac」などの部品を供給している和碩聯合科技(ペガトロン)が労働規定や業界基準に違反しているとする報告書を発表した。
特にペガトロンの賃金の低さを問題とし、そのために多くの従業員が極端な長時間労働を強いられていると指摘。上海と江蘇省蘇州の3工場で働く従業員は1週間の平均労働時間が推定66~69時間に上り、アップルが定める60時間を大幅に超過しているとした。
アップルは低価格版のiPhone製造に向けて2013年初めごろからペガトロン工場への受注量を増やしており、工場側は競争力を高めるために労働規定や基準に違反して従業員を働かせてきたと報告書は批判。さらに、健康や安全上の問題、公害問題、未成年者の就労などの問題も挙げている。
北京のアップル広報はこの報告を受けて、直ちに調査を開始すると述べ、「監査の結果、もし従業員の低賃金や手当ての不払いなどが発覚すれば、ペガトロンに対して全額の支払いを求める」と表明した。各地のペガトロン工場に対しては2007年以来、15回にわたって包括的な調査を行ってきたとしている。
アップルのサプライヤーをめぐっては、台湾の富士康集団(フォックスコン)でも過酷な労働環境が問題になり、アップルが対応に乗り出していた。