大手ソーシャルメディア、タリバーンのアカウントの対応に頭悩ます
ニューデリー(CNN Business) アフガニスタンの首都カブールがイスラム主義勢力タリバーンに制圧されて数日が経過する中、大手ソーシャルメディア各社は、同勢力の戦闘員らが同国を掌握したことにどう対処するか、緊急の判断を迫られている。
フェイスブックは17日、傘下に置くワッツアップやインスタグラムなど、同社のプラットフォーム上でタリバーンを称賛、支持、代弁するアカウントについて禁止措置を取ることを繰り返し強調。「タリバーンによって、もしくはその代理として維持されるアカウント」は削除するとしている。
同社の広報担当者は「タリバーンは米国法の下でテロ組織として制裁を受けており、わが社の危険団体に関するポリシーの下、彼らに対するサービスの提供を禁止している」と述べた。
タリバーンはフェイスブックのプラットフォームから「数年間」排除されてきた。ただ、正確にいつ規制が掛けられたかについてフェイスブックは明らかにしていない。
同社は、「現地で使用されるダリー語やパシュトー語を母語とする話者や、現地の背景知識を持つアフガニスタンの専門家チーム」を採用すると説明。「誰が権力を握るかにかかわらず、われわれのルールに違反するアカウントやコンテンツに対して適切な行動を取る」と話している。
タリバーンは公式には、米国によって外国のテロ組織に指定されてはいない。だが米財務省による特別指定国際テロリストおよび特別指定国民・凍結者にはリストアップされている。
タリバーンが権力の座から追放された2001年、アフガニスタンには実質的にコンピューターが存在しなかった。だが同国の人々は過去20年超で徐々に、デジタルの時代に適応していった。先週末にかけて同国政府が崩壊していく際には、ソーシャルメディア上に、市民や政治家らによって混乱状態を映し出した投稿が寄せられていた。
一方で他の大手ソーシャルメディア各社については、タリバーンを支持するコンテンツの扱いに関する対応策がより不鮮明となっている。
ツイッター社の広報担当者は、アフガンの人々は支援を求めて同社のプラットフォームを利用しており、暴力を賛美するコンテンツを禁止するといった同社のポリシーを施行するに当たり、「引き続きの警戒を」を約束すると述べた。
タリバーンの報道官の一人、スハイル・シャヒーン氏はツイッター上に非公式ながらアカウントを持っており、34万7000人のフォロワーを抱える。
ユーチューブは17日、タリバーンが運営するアカウントが動画プラットフォーム上では排除されていないと示唆する以前の発言を明確にする形で、そうしたアカウントを「抹消する」と発表した。
CNNが質問を繰り返したことを受けて、ユーチューブは声明を発表。その中で同社は「関連する米国による制裁など、適用される全ての制裁および取引の適合性に関する法律を順守する」とし、「従って、アフガニスタンのタリバーンが所有または運営すると考えられるアカウントをわれわれが発見した場合、われわれはそれを抹消する。さらに、われわれのポリシーは暴力をあおるコンテンツを禁止している」と説明。
タリバーンは財務省の制裁リストに掲載されているため、プラットフォーム上では、同グループの統制下にあるアカウントを認めないと語った。
ただ同社は以前、CNNの取材に対して、ポリシーを施行する旨を通達するために、外国のテロ組織に関する国務省のリストを参照していると語っていた。タリバーンは同リストには掲載されていない。