米アップル、「AI向けのとてつもなくパワフル」なM4搭載iPad Pro発表
(CNN) 米アップルは7日、カリフォルニア州クパチーノにある本社で開催されたライブストリーミングイベントで、タブレット端末「iPad Pro(アイパッド プロ)」と「iPad Air(アイパッド エア)」の最新バージョンのほか、全く新しい「Apple Pencil Pro(アップル ペンシル プロ)」を発表した。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)は今回の発表が「iPadにとって発売以来最大の日」となったと述べた。
新しいiPad Proには、アップルの新しい自社開発チップ「M4」が搭載されており、既存モデルの4倍の性能を実現している。最新の「MacBook」シリーズが「M3」チップを搭載していることを考えると、クック氏が言う通り、これは「人工知能(AI)のためのとてつもなくパワフルなチップ」だ。
同社は6月に開催される年次開発者向け会議「WWDC」で、「iPhone」「iPad」向けAIツールの第1弾を披露するとみられている。
最新のiPad Proは11インチと13インチの2サイズ展開。アップルによると、11インチモデルはこれまでで最も薄い5.1ミリで、重さは450グラム以下。画面は2枚の有機ELパネルを組み合わせ、輝度を最大化している。仕上げはシルバーとスペースブラックの2種類。
一方、iPad Airには初めて11インチ(599ドル)と13インチ(799ドル)の2サイズが登場。13インチのモデルは、11インチのものよりも画面が30%大きくなっている。
タブレット端末「iPad」の新作が発表された/Apple
アップグレードされたApple Pencil(129ドル)には、新たに「スクイーズ」機能が搭載。ツールを呼び出したり、作業中の描画レイヤーをカスタマイズしたりすることができる。触覚フィードバックや「探す」にも対応している。
アップルはこのイベントの数日前に2024年1~3月期のiPadの売り上げが56億ドルと前年同期比17%減となったことを発表していた。しかし同社によると、4~6月期はiPad事業が2桁成長する見通しだ。
英市場調査会社CCSインサイトのチーフアナリスト、ベン・ウッド氏はiPad Proに搭載されたM4チップによる大幅な性能向上は消費者の興味を十分にかき立てる可能性があると述べた。
ウッド氏は「これらの新しいiPadがすぐにこのカテゴリーを成長させる可能性は低いが、何年も前の製品を使用している顧客にとってはアップグレードするのに十分な理由になる。過去1年半、すべての競合他社がAIに大きな焦点を当ててきたことを考えると、アップルによるAIの強調は同社がこの分野で主導権を取り戻すことを決意していることがはっきり分かる」と語った。