イーロン・マスク氏、オープンAIへの訴訟取り下げ
ニューヨーク(CNN) 米起業家イーロン・マスク氏が11日、対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」を開発した米オープンAIと同社のアルトマン最高経営責任者(CEO)に対する提訴を取り下げた。
マスク氏は2015年にアルトマン氏、ブロックマン社長と共同でオープンAIを設立した。同社が非営利団体として技術を一般公開するという当初の理念を放棄したとして、2月に訴えを起こし、同社とアルトマン、ブロックマン氏に利益の返還を求めていた。
これに対してオープンAIは、「支離滅裂」で「根拠のない」主張だと反論し、裁判所に訴えを退けるよう求めた。
同社はまた、設立当初のマスク氏のメールが掲載されたブログ投稿を公開した。マスク氏はメールの中で、同社がAI開発の目的を果たすための資金として、多額の利益を上げる必要があることを認めていた。これは、利益追求が当初の理念に反するとしたマスク氏の主張と矛盾する。
マスク氏の弁護士らは取り下げの理由に言及しなかった。裁判所は、オープンAI側の棄却請求を12日に取り上げる予定だった。
マスク氏は2018年、自身が率いる電気自動車(EV)大手テスラによるオープンAIの買収を提案したが、アルトマン氏らの反発を買って断念し、その後オープンAIから手を引いていた。