お詫びに「ウーバーイーツの10ドルクーポン」、大規模障害引き起こしたクラウドストライク

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クラウドストライクの不具合で世界各地で混乱が発生した/Etienne Laurent/AFP/AFPGetty Images

クラウドストライクの不具合で世界各地で混乱が発生した/Etienne Laurent/AFP/AFPGetty Images

ニューヨーク(CNN) 米セキュリティー大手クラウドストライクの不具合は、世界中を大混乱に陥れた。米デルタ航空など一部の企業は今も影響が続き、クラウドストライクのソフトウェアの販売やサポートを担う代理店は、顧客のシステムの修復に追われてとてつもない忙しさが続く。

そうした代理店に対するクラウドストライクのねぎらいは、ウーバーイーツの10ドル(約1500円)クーポンだった。これは冗談ではない。

クーポンの「ギフト」進呈は24日に明らかになり、さまざまな反応を引き起こしている。

代理店の重圧

代理店は顧客からのとてつもないプレッシャーにさらされている。顧客の中にはまだ業務が完全に復旧できていないところもある。

代理店は今回の障害の結果として顧客を失うリスクもある。10ドルのウーバーイーツクーポンで、少しは気分が晴れるだろうか。

SNSでは、まるでオフィスのピザパーティーだという声が飛び交っている。これは上司が従業員の仕事をねぎらう姿勢を示そうとしてやることが多い。ただし多少の問題はある。チーズとペパロニは生活の助けにはならない。

10ドルで買えるもの

しかもウーバーイーツを使って税と手数料込み10ドルで購入できるものといえば、コーラ1缶と小さなお菓子2本、チョコレートバー1本程度。ただしチップは含まれていない。

詐欺警戒

クラウドストライクの障害に便乗して、サイバー犯罪集団は不正なウェブサイトを開設している。システム障害に関する情報や解決策を探そうとする相手をだましてログイン情報などを入力させたり、端末に不正侵入したりする狙いだ。

そこで誰もが警戒を強める。電子メールで送信されたクーポンが使えなくなったのも無理はない。

クラウドストライクの広報は、電子メールで送信したのが正規のクーポンだったことを確認した上で、「使用率が高かったことから、ウーバーが不正と認識した」と説明した。どうやら1人に送られた1枚の10ドルクーポンを、多数が使おうとしたらしい。CNNの取材に対するウーバーの返答はなかった。

顧客の損失

今回の10ドルクーポンをめぐっては、大規模障害に対するクラウドストライクの補償と勘違いする人も続出した。

顧客の損失額に比べると、この額はあまりにも取るに足らない。保険会社パラメトリックスの試算によると、今回の障害による損失額は、フォーチュン500の大企業だけで54億ドル(約8270億円)に達する。

しかしクラウドストライクがこの損害を補償するかどうかは不明だ。同社は顧客への金銭補償についてはコメントしていない。専門家は、顧客が賠償を請求して訴訟になる可能性が大きいと見ている。

クラウドストライクは顧客に謝罪はした。しかしまだ今回のトラブルに関する顧客への支払いは何もない。10ドルのウーバーイーツクーポンでさえも。

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