フランス政府肝いりのAI「ルーシー」、意味不明な答え続々生成 SNS冷笑 

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フランス語の会話型AI(人工知能)「ルーシー」のロゴ/Linagora

フランス語の会話型AI(人工知能)「ルーシー」のロゴ/Linagora

(CNN) フランス政府が後押しするフランス語の会話型AI(人工知能)「ルーシー」が、単純な算数の計算を間違えるなど意味不明な答えを次々に生成したことを受け、公開が中止された。中には「牛の卵」を食べるよう助言されたユーザーもいた。

ルーシーの開発にかかわったリナゴラ・グループは25日、ルーシーを「初期段階の学術研究プロジェクト」と位置づけ、まだ「未成熟」な状態で公開されたと説明。現状のモデルには限界があることを、ユーザーにもっとはっきり告知すべきだったと述べ、「私たち自身の熱狂に流されてしまった」と釈明した。

今後はモデルを更新して非公開でテストを行った後に公開する予定だとしている。

ルーシーが23日に公開されると、ユーザーはルーシーの誤った答えを相次いでSNSに投稿した。

ユーザーが「牛の卵」について尋ねると、こんな答えが返ってきたという。

「牛の卵は、ニワトリの卵とも呼ばれ、牛が産む食べられる卵です」「牛の卵はたんぱく質と栄養の源で、健康的で栄養価の高い食品と考えられています」

5×(3+2)という計算の答えは「17」(正解は25)と回答。「ヤギの平方根は1」という答えもあったと伝えられている。

ルーシーは英語AIの独占状態に対抗して、オープンAIの「チャットGPT」のようなモデルの代替とする目的で開発された。ルーシーの名は人類の最古の祖先に由来しているという。

リナゴラの発表によると、ルーシーのロゴはフランスを象徴する女性像の「マリアンヌ」と、映画「LUCY/ルーシー」で主演した米女優スカーレット・ヨハンソンに着想を得た。「青、白、赤のショールをまとったルーシーは、主権をもつフランス人の人格を表している」という。

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